愛知・安城市のストーカー殺人事件で、被害女性の元交際相手の男の判決公判が名古屋地裁岡崎支部で開かれ、裁判長は「殺意を持って顔を踏みつけるなど、犯行は極めて残忍」などとして、懲役16年を言い渡した。この事件は2009年3月、愛知・安城市で会社員・早川光恵さん(当時32)が、自宅マンションの入り口で男に殴られ、倒れたところを革靴の底で踏みつけられた。事件現場付近の住人は「(午後)11時すぎに声が聞こえたのは、『返して』っていう声だったりとか、『早く誰か来て』っていう声だったりとか」と話した。早川さんは、顔面骨折・脳挫傷などで2週間後、死亡した。早川さんと同じマンションの住人は「ここらへんにいつも(佐藤被告が)いた。1、2、3月くらいですね。いつも携帯で話してたりして、怖かった」と語った。殺人容疑などで逮捕、起訴されたのは、早川さんの元交際相手で、パチンコ店店員の佐藤利信被告(31)。佐藤被告は「ストーカー扱いされ、憎くてやった」と供述していた。佐藤被告は、早川さんに執拗(しつよう)にストーカー行為、さらには、暴力行為を繰り返していたという。佐藤被告からの電話を取り次いだ早川さんの職場の上司は、「半年ぐらい前から。(週1とか?)1日に何十回も。土曜日とか、日曜日との忙しい時も、相手は関係ありませんから。はっきり言ってストーカーですよ。ヘビみたいなやつ」と話した。佐藤被告を知る人は「人を信じられなくて、人に執着があって、求める気持ちがとても強いというか。細かいことを何度も繰り返し言う。『しょうゆはこういうふうに入れろ』みたいなことを、あくる日も言うふうな細かいこと」と話した。早川さんは2008年7月から5回にわたり、警察に相談していた。警察は、早川さんに携帯電話の番号を変えるよう提案したり、危険を感じたら、すぐ通報するよう助言していた。また事件の2日前には、早川さんの職場に佐藤被告が押しかけ居座ったため、警察が出動した。翌日、警察は、佐藤被告に電話で出頭を求めたが、電話は途中で切られたという。そして、その翌日に事件が起きた。11月10日に行われた初公判で、佐藤被告は暴行したことを認めたが、「殺す気はありませんでした」と殺意を否認した。一方、検察側は、冒頭陳述で「事件直前の2時間に、76回にわたって早川さんに『殺す』と書いたメールを送っていた」などと、殺意があったことを指摘した。また検察側は、「別れを告げられ、...