日本のオートレース界に、44年ぶりに女性レーサーが誕生。佐藤摩弥選手(19)が11日、デビュー戦に臨んだ。これまで、長く男社会だったオートレースの世界に、実に44年ぶりとなる女性レーサーが誕生した。摩弥選手は、「男性にも負けないって気持ちがあれば」、「負けない気持ちが一番大事かなって。強気でいきたいですね」と話した。摩弥選手が、ついに11日、デビュー戦を迎えた。2010年、摩弥選手は、楽しかった高校を辞め、オートレース界へと飛び込む決断をした。摩弥選手は「モトクロスをずっとやってきたのもあって、バイクに関係する仕事に就きたいなと思っていたので」と話した。摩弥選手は、モトクロスでは、日本トップクラスの実力だった。オートレーサー候補生試験に合格した摩弥選手は、9カ月に及ぶ厳しい訓練生活を前に、自慢の長い髪を切り落とし、決意の丸刈り。そして、2010年9月、9カ月に及ぶ訓練生活がスタートした。オートレース選手養成所の井上芳雄所長は「きょうからお前たちは、選手候補として扱う。ただし、あわないと思えば帰す」と話していた。養成所では、携帯電話持ち込み禁止、外出厳禁、食事は10分、移動は駆け足。軍隊かと思うような規律の中、9カ月間、体力・技術・知識をみっちりとたたき込まれる。男子に劣る筋力は、居残りで特別トレーニング。運転技術も、少しずつ上達していった。しかし、訓練も終盤にかかった3月11日、東日本大震災が発生した。震災の影響で訓練は中止となり、再開のめども、ひと月以上立たなかった。摩弥選手は「難しいところなんですが、ちょっとオートレースしてる場合じゃないっていうか。今、日本の危機なんじゃないかなと思う」と話していた。しかし、再び養成所に戻ってきた摩弥さんに、迷いはなかった。卒業検定では、20人中8位のタイムで、見事卒業を果たした。そして、卒業式の3日後には、レースデビュー。摩弥選手は卒業式の7月8日、「すぐにデビュー戦があるのですが、絶対に1着を取りたいと思っています」と話していた。街中を宣伝トラックが走り、注目度は抜群。レース場にも、普段の倍以上の客が詰めかける中、ついにデビューの時を迎えた。摩弥選手は、白の勝負服の1号車。一番前からからの逃げ切りを狙った摩弥選手は、5週目まで堂々のトップ。しかし、僅差で1着を逃した摩弥選手は、デビュー戦は2着だった。摩弥選手は、「やっぱり悔しいですけど、きょうのためでは...